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ペーパードライバーは2時間講習で運転できるようになる?講師に聞いてみた
ペーパードライバーは「いつか運転してやる」と密かな野望を抱いているものの、実際には改めて講習を受ける必要があったり、苦手分野があったりすることで尻込みしてしまうものだ。実際、筆者もかれこれ20年以上ペーパードライバーとしてゴールド免許を更新し続けている。とはいえ、一念発起してペーパードライバーを卒業したい思いはある。
三井住友海上火災保険が現在および過去にペーパードライバーだった人を対象に行った調査では、元ペーパードライバーがペーパードライバーを卒業するために役立てたサービスとして、1位は「ペーパードライバー向け講習」、2位は「自由に運転できるスペース」が挙がった。
ペーパードライバー向け講習は、卒業するのに最速の手段かもしれない。そこで講習を行う専門スクールに、どのくらいの時間で乗れるようになるものなのか、また壁になることもあわせて聞いてみた。
ペーパードライバーの専門スクールでは、よく2時間単位の講習が提供されている。ペーパードライバーで、長年まったく運転したことのない人が、2時間の講習で乗れるようになるものだろうか。
東京・千代田区にあるペーパードライバースクールのウインクリエートには、「1日お試しコース」として2時間の講習から用意されている。
同スクールの指導員であるサポーターを統括する松原マネージャーは、講習の内容について次のように話す。
「当校の1日2時間のお試しコースは、運転感覚を少しずつ取り戻していただくことを念頭に行います。長年、まったく運転されていないお客様の講習は、まず座席やミラーの調整方法や、お車の計器類に関する操作方法からご案内するかたちです。
まず交通量が少なめの運転しやすい場所までサポーターが運転し、移動します。運転を交代した後、左折でワンブロックを走行。ハンドルの回し加減やアクセル、ブレーキの踏切加減を確認。その後、同じコースを右折走行します。
少しずつ慣れてきたら、もう少し交通量のある道路で同様に左折と右折を行っていただきます。駐車講習は比較的広めの駐車場で、簡単に駐車できる方法をご案内し、その後ご自身で駐車を1~2回程度挑戦。初日のご自宅の車庫入れは、サポーターが運転して目印を確認していただきます。2時間講習は、このくらいで終了です。
10年以上運転されていないお客様には、合計8時間のコースをおすすめしています」(松原氏)
本社が神奈川県横浜市にある株式会社ペーパードライバースクールでは、「4時間短期集中コース」として1日4時間、もしくは2時間×2日間講習を受けるコースや、「首都高(高速道路)運転コース」として1日4時間、もしくは2時間×2日間、講習を受けるコースなどがある。
代表の関氏は、次のように述べる。
「当社の首都高運転コースでは、2時間程度の下道講習、ハンドルワーク、車幅間隔、角地練習などを徹底的に住宅地で指導した後、環七通りや昭和通りのような車線がある道で車線変更などの練習です。3時間目には首都高の運転も行っていただいています。車庫入れを指導するには、もう少し練習時間は必要だと思います」(関氏)
まったく運転したことがないペーパードライバーの場合、講習は2時間ではさすがにむずかしいようだ。4時間以上はもちろん、8時間は必要であると言える。
ペーパードライバーにとって壁になることは?
講習中、ペーパードライバーにとって壁となることにはどんなことがあるか。克服ポイントも合わせて聞いた。
ウインクリエート松原氏は「駐車」「車線変更」「自宅の車庫入れ」の3つを挙げる。
「駐車は多くの方が悩まれますが、簡単にできる方法があり、コツを覚えることで克服できます。車線変更も皆様、苦手だと言いますね。どうしても怖くてブレーキを踏みたくなりますが、アクセルを踏み目視でも安全を確認した後、ゆっくりハンドルを回しながら車線変更を行うと良いです。目視で車間距離や死角を確認することが重要です。
自宅の車庫入れは、できないとどこにもお出かけできません。車庫にもよりますが、通常の駐車よりさらに簡単にできる方法で指導いたします。このコツを覚えると、簡単に壁を克服することができます」(松原氏)
株式会社ペーパードライバースクール関氏は、壁となることとして「集中力の低下」「今後一人で運転することへの不安」の2つを挙げる。
「集中力がない方には、指導時に声がけを増やします。また、近い将来、私たち指導員が乗らない場合のことを心配する生徒さんも多くいますね」(関氏)
講習を受けているときは講師が横にいるため心強いが、やはり一人で運転するのは不安が大きい。どのようなメンタルで乗り切ればいいか。
ウインクリエート松原氏は次のようにアドバイスする。
「上手くなりたいという意識は大切ですが、最初は無理をせず、少しずつステップアップしながら自分で自分を褒めて、運転意欲を高めていただくことが大切です」(松原氏)
練習する場所はどこがいい?
講習ではなく、自身で練習する際には、どんな場所で練習するのがいいか。
「角地(※)がある場所であれば、どこでも練習できます。2ブロック、3ブロックあれば、どんどん角地練習をしましょう」(関氏)
※角地:交差する2つの道路に接する、角の区画の土地のこと。
「早朝など交通量が少ない時間帯に、対向車が来ても怖くない、比較的安全な道路で練習すると良いですよ。講習を受けた方は、練習のときは運転できる方に助手席に同乗していただき、運転してください。講習で教わった内容を無理のないよう、復習されると良いです」(松原氏)
ペーパードライバーの一人として、ペーパードライバーを卒業するための壁と言われる車線変更や車庫入れには不安を覚える。しかし講師にコツを教えてもらえれば、そしてある程度、時間に余裕があれば、なんとかなりそうだと思った。卒業のために取り組んではいかがだろうか。